遮熱塗料は、熱を跳ね除けて建物に省エネ効果を発揮する塗料としてとても人気があります。近年ECOの風潮で注目されている機能性塗料という事で、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。遮熱塗料は年々注目されどんどん知名度が上がっていき、ここ数年で5倍以上の売り上げとなりました。遮熱塗料は特殊な機能性塗料ですので、採用の際はその性質をきちんと把握される事をオススメします。遮熱塗料のメリットやデメリット、知ってほしいポイント等をまとめてみました。
遮熱塗料のメリット
遮熱効果がある
文字通り、遮熱効果を発揮する塗膜です。太陽光エネルギーを跳ね除ける効果があるので、太陽光を跳ね除けて熱さを塗膜に浸透させない効果を発揮します。夏の熱い太陽光を跳ね除けてくれますので、猛暑のような夏でも太陽光の影響を妨ぐ事が出来ます。その温度差は、2~3度程度と言われています。2~3度の差は少ない温度差と思われるかもしれませんが、37度が35度に感じるととても涼しく感じる事が出来ます。少ない温度差に思えるかもしれませんが、体感温度は満足出来る温度差を感じる事が出来ます。
遮熱塗装の効果
室内の温度差を3度削減した実績が出ています。
節電効果がある
遮熱効果により室内温度を低くさせるので、光熱費の節約が出来ます。近年電力不足と言われている日本では、遮熱塗料の採用は理に適っております。
塗膜の寿命が長い
ほとんどの遮熱塗料は、15~20年の耐用年数です。費用は割高ですが、普及品の塗料と比べて1.5~2倍に伸ばす事が出来ますので、メンテナンスの手間を考えるととても理想的な塗料です。
屋根や外壁の寿命が長くなる
遮熱塗料を塗布する事で塗布面の温度を低くする事が出来ますので、熱による素材への影響を低くさせる事が出来ます。屋根に塗った場合は屋根材を、外壁に塗った場合は外壁材の寿命を長くする事が出来ます。特に金属製の材料に塗布すると、温度差により金属の熱膨張を防ぐ事に繋げる事が出来ます。塗膜の割れやヒビが発生しにくくなりますので、塗膜のクラック等の防止にも役立ちます。
黒色の建材の熱上昇を抑える事が出来る
黒っぽいカラーの建材は熱を吸収しやすいので建物の温度上昇が気になりますが、黒のような濃い色合いでも高い遮熱効果を発揮するので、建材の熱上昇を抑える事に繋げる事が出来ます。
ヒートアイランド現象の抑制
<
建物に蓄えられた熱は外部へ熱放射として発してしまいますので、建物周辺の温度も上がってしまい、ヒートアイランド現象の原因の1部となっております。
遮熱塗料の効果で建物に蓄えられる熱を少なくさせる事が出来るため、ヒートアイランド現象の抑制に繋げる事が出来ます。とあるメーカーで遮熱塗料を塗布してヒートアイランド現象の実験を行った際、0.7度の気温を低くする実験結果が出ました。地球環境の改善に繋がりますので、未来の中への貢献ともなります。住宅だけではなく、ビルやマンション、道路等様々な熱反射が可能な部分に塗布すると、非常に大きな効果を発揮します。
施工時に補助金の給付ができる場合がある
遮熱塗料を使う事でCO2増加に歯止めを効かせる事が出来るため、省エネ住宅にリフォーム出来るという事で補助金を給付する制度があります。遮熱塗料を使った工事は省エネ住宅リフォームに該当しますので、遮熱塗料採用の際は自治体に相談をしてみましょう。給付金の補助が該当するのであれば、シリコン塗料の様な普及品の塗料を使うよりもお安く済ませる事が出来ます。
遮熱塗料のデメリット
価格が高い
塗料の価格が高く、需要と供給がまだまだ少ない材料ですので、安くはない傾向があります。普及品塗料のシリコン塗料は㎡当たり2,000円程度で、遮熱塗料は㎡当たり4,000~5,000円程かかります。2倍程の費用がかかってしまい、なかなか採用しにくい塗料と思われています。
塗膜が汚れると遮熱効果が発揮しにくい
遮熱塗料の遮熱効果は、塗膜の表面が綺麗であることで高い遮熱効果を発揮するので、塗膜の表面が汚れていると反射しにくくなり、遮熱効果が低くなってしまいます。
一般的な赤外線を吸収しやすい塗膜となってしまい、意味が無くなってしまいます。遮熱塗料を選ぶ際は、親水性が高い塗料がオススメです。親水性の無い遮熱塗料を採用した場合は、定期的に塗膜の洗浄を行う事で遮熱効果の発揮をキープさせる事が出来ます。
材料が扱いにくい
遮熱塗料は扱いにくい材料であり、施工を行う職人さんの間では塗りにくい材料と言われています。その為、施工にムラが発生してしまう事もあり、万度な塗膜とならない事もあります。遮熱塗料を採用する際は、遮熱塗料を扱った事がある業者に工事を依頼するようにしましょう。
冬場の遮熱効果は建物の温度を低くしてしまう事がある
冬場に遮熱効果で赤外線を反射してしまうと、微分ですが建物が冷えてしまう事があります。そのため夏が暑い地域には最適な塗料ですが、冬が長く厳しい地域にはあまり適していないでしょう。
色によって効果の発揮の仕方が違う
遮熱効果は熱の反射ですので、色合いによりその効果に違いが発生してしまいます。白やクリーム系は遮熱効果が高く、クリーム色やグレー、茶色、黒等の色は熱反射率が低くなってしまいます。しかし、今までの塗装のカラーが白やクリームなどの淡い色合いの場合、白やクリームなどの遮熱塗料に変えてもほんの少ししか遮熱の効果を感じる事が出来ません。逆に、黒等の濃い目のカラーの場合、元々が熱吸収率が高い色合いですので、遮熱塗料にする事で高い遮熱効果を得る事が出来ます。
遮熱塗料まとめ
遮熱塗料には素晴らしい効果がありますが、残念ながらデメリットもございます。しかし、デメリットも加味して考えてみても、素晴らしいメリットのある魅力的な塗料ということがわかります。建物に住みやすさをプラスしたいのであれば、熱への効果を発揮してくれる遮熱塗料は頼もしい塗料です。
主なクリヤー塗料
主な遮熱シリコン塗料
塗料メーカー | 塗料名 |
---|---|
エスケー化研(株) | アレスクールプラスウォール |
日本ペイント(株) | ファインサーモアイウォールSi |
日本ペイント(株) | 水性サーモアイウォールSi |
エスケー化研(株) | 水性クールテクトSi |
塗料の種類について他の用語集
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- ラジカル塗料
- フッソ塗料
- クリアー塗料(サイディング用)
- 遮熱塗料(屋根用、外壁用)
- デザイン外壁用の艶けし塗料
- 自然塗料
- 光触媒塗料
- リシン
- スタッコ
- ボンタイル(吹付けタイル)
- ジョリパット
- セラミック・石調
他の特殊塗料
外壁の模様付け塗料(新築時)
以上、遮熱塗料(屋根用、外壁用)についての説明でした。