アクリル塗料は、ひと昔前(30年)までは外壁塗装をする際にはよく用いられた塗料です。名前のとおり塗料の主成分である合成樹脂がアクリル系である塗料のことを指します。
目次
アクリル塗料って?今は外壁塗装に使われるケースはない
以前は低価格で何度も重ね塗りが出来る事から店舗の改修や頻繁に住宅の色替えをされる方には重宝されましたが、耐久性が他の塗料比較して極端に悪く、特に特化される点もない為現在では塗り替えの需要はほとんどありません。
屋根のアクリル塗料はない
耐久性が最も重視される屋根!アクリル系屋根塗料は市場から姿を消しています。
耐久性は低い!
アクリル系塗料の耐久年数は6~8年程度です。
シリコン系塗料の耐久年数は12~15年程度です。(※2倍の耐久性)
耐久性はアクリル・名前はシリコンの塗料にご注意
単層弾性塗料
もし単層弾性塗料を、通常のシリコン塗料として営業していたら、絶対その業者と契約しないでください。塗り替え工事には不向きな、一般的に新築工事に使われる工期短縮の塗料です。
カタログにシリコン含有などと書いてありますが、凹凸付けの主剤が多く混ざっているので一般的に塗り替え工事で使う複層仕上げ材とは比較して著しく耐久性に難があります。
アクリル塗料のメリット
価格の安くコスパが高い
アクリル塗料は、現在の普及品シリコン塗料の約7割の費用で塗装工事を行う事が出来ます。寿命は5~7年と短いですが、お安い塗料ですので何回も塗り替えをして外観をリフレッシュしたい方にはオススメです。低コストで塗装工事を行う事が出来るのは、アクリル塗料にしかない大きな魅力です。
ツヤがありはっきりとした色合いになる
アクリル塗料は発色が大変よく、鮮やかな色合いとする事が出来ます。ハッキリとした色合いを好む方には、とてもオススメです。
塗料の種類が豊富
アクリル塗料の歴史は長いので、他の塗料の種類に比べると製造量が物凄く多くあります。多くの種類から、好みの塗料を選ぶことができます。
1液型が多く使いやすい
アクリル塗料は1液型の塗料が多く、希釈をしたり撹拌したりなどの手間がかかりにくく使いやすい塗料です。硬化不良を起こしにくいので、素人さんのDIYでも簡単に扱う事が出来ます。
重ね塗りに富んでいる
アクリル塗料は付着力が高いので、短期間での塗り替えの際に付着しやすくとても便利です。
ただし、塗膜に既に劣化が発生している場合は、重ね塗りをすると不具合が起きてしまう事があります。
アクリル塗料のデメリット
劣化が早い塗膜
塗膜の寿命が短く5~7年ほどしかありませんので、早く劣化してしまうのが最大の難点です。
アクリル塗料は劣化因子ラジカルが発生しやすく、酸化還元反応が起こりやすくなってしまい劣化しやすい塗膜となってしまいます。その為、メンテナンスを頻繁に行わないといけなく、手間がかかってしまう塗膜となってしまいます。
塗り替えの際に面倒になる場合がある
アクリル塗膜は劣化しやすいので、はがれやすい塗膜となってしまいます。
その為、既存塗膜がアクリル塗膜である場合の塗り替えは、既存アクリル塗膜が既に劣化している場合、扱いが厄介になってしまいます。既存塗膜劣化部分を綺麗に取り除かないと、新規塗膜が旧塗膜に引っ張られてしまい精度が悪くなってしまう事があります。素地ごしらえをきちんと行う事で、この現象は回避する事が出来ます。
塗膜が固いのでヒビが入りやすい
塗膜が固いので、ひびが入りやすい塗膜となってしまいます。
建物に動きがある場合はすぐにひびが入ってしまいますので、オススメ出来ません。
浸透性が良すぎる
浸透性が良すぎる塗膜ですので室内の湿気を外部に逃がす事が出来るのですが、逆に外部の湿気も室内に通してしまう性質があります。湿気が室内に溜まりやすくなるので、湿気が多い環境の建物にはオススメ出来ません。
現在でも無知な多くの業者が売っています。
もちろん適材適所を考えればいい塗料なのですが塗り替え工事に関してはデメリットしかありません。
主なアクリル塗料
塗料メーカー | 塗料名 |
---|---|
エスケー化研(株) | 水性コンポアクリル |
エスケー化研(株) | ニュートップレスクリーン |
エスケー化研(株) | セラミクリーン |
関西ペイント(株) | アレスアクアビルド |
日本ペイント(株) | DANフレッシュ |
日本ペイント(株) | DANシリコンセラ |
塗料の種類について他の用語集
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- ラジカル塗料
- フッソ塗料
- クリアー塗料(サイディング用)
- 遮熱塗料(屋根用、外壁用)
- デザイン外壁用の艶けし塗料
- 自然塗料
- 光触媒塗料
- リシン
- スタッコ
- ボンタイル(吹付けタイル)
- ジョリパット
- セラミック・石調
他の特殊塗料
外壁の模様付け塗料(新築時)
以上、アクリル塗料についての説明でした。